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ニューヨークで体験したガストロノミー。


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長井 はるみ / HARUMI NAGAI
世田谷区在住。頭の中は旅と食べもの。東急田園都市線の三軒茶屋と東横線の都立大学で シェアハウスを運営しています。


私は、ほぼ毎年に一回、ニューヨークを訪れています。といっても優雅な旅とは言い難く、ホテルは使わず、友人宅に泊まることを基本に、最近ではソーシャル宿泊サーヴィス・サイト「エアー・ビー&ビー」を利用して、見知らぬ人の家に泊まる楽しみも覚えつつあります。

 

実は今年3月とこの10月のNY滞在は、このサーヴィスを利用して、それぞれブルックリンの住民の部屋と友人宅に泊まったのです。 また私は限られた旅行の予算のほとんどを「食料の買い出し」と「飲食店巡り」に費やします。 ニューヨークの食料品店で安いオーガニック食材をまとめ買いして、登山用のバックパックやスポーツバッグにパンパンに詰めて日本に帰る、ということを繰り返してます。その姿はまるで難民か避難民そのものです。さて、そのように食い意地最優先で訪れているニューヨークですが、訪れる度にいろんな発見があります。この10月に訪れた際も、またまた食の潮流が変わりつつある事を体感しました。

 

今回の旅では、北欧やニュージーランド料理の台頭、そして和食のブルックリン的解釈のガストロノミー割烹という新しい潮流と出会いました。ソーホーにある「ムスケット・ルーム(MUSKET ROOM)」は、シェフがニュージーランド(以下、NZと略)出身のため、NZの食材がふんだんに使われ、見事なNZワインのリストを持ってます。看板料理は、NZ産赤鹿のグリル。パンに付け合せのバターの上には、なんとマヌカハニーの木を燃やした灰が乗っていました。力強くて上質、そしてガストロノミーの影響を感じる、洗練された盛りつけが特徴です。オープン8ヶ月でミシュランひとつ星を獲得しており、これはNYのお店では最短の星獲得だそうです。

 

●ムスケット・ルームのNZ産赤鹿のグリル

ブルックリンのウィリアムズバーグにある「アスカ(ASKA)」は、去年誕生した北欧系ガストロノミー。入り口は別のバーで、その奥に壁や扉で仕切られてないのに、内装も照明もがらりと変わってレストランという変わった空間。ストックフォルム出身のシェフによる、見たことも味わったことのない料理が次から次へと登場して、既成概念を壊される刺激を受けました。盛り付けもアート作品のよう。

 

コースは日替わりで、私たちは、じゃがいもの前菜、イカのグリル、北欧タラ、鴨のグリルなどをいただきましたが、これを上手く言葉にできない自分の語彙力のなさが悔しい。7 品のコースが$79。週末は10 品のコースで$125。

 

●アスカの謎の前菜


ブルックリンのブッシュウィックにある「ブランカ(BLANCA)」が今回の旅の最終目的地。同地区にある有名なピザ屋「ロベルタス(Roberta’s)」と同じ経営で、その「ロベルタス」から入り、係の者に予約した名前を告げるとスタッフの後をついていくように指示され、そのまま裏口にズンズンと進みます。

 

暗くて騒がしい中を歩いた先には離れのような廃屋のようなガレージが。しかし入り口を開けたとたん、目の前に広がるのは、倉庫のような高い天井、まぶしいくらいに真っ白で広い空間。そこに立派なキッチンと、シンプル&ミニマルなカウンターが鎮座してます。広く美しい空間にカウンター12席のみ。私たちを含む12名の客も、同じ時間に一斉に食事を始めます。

 

まるで「料理の鉄人」のスタジオのような、全ての行程が丸見えのオープンキッチンを眺めながらの食事。シェフのカルロ・ミラルチが繰り出す料理は、和の素材を使ったものが目立ちます。実際にタトゥーが全身に入った美人ウェイトレスが「アカムツ、イワシ」など一部日本語で説明するのです。

 

小皿で次々とサーブされて合計なんと25皿。豆腐や和牛のしゃぶしゃぶもあれば、パスタもあり、しっかり肉のグリルも三種類。めくるめく料理をスピーディに手際よく裁くスタッフも見事。締めは全員、コーヒーでもエスプレッソでもなく、ほうじ茶。日本食は、ブルックリンでこんなにも大胆に変貌しています。ここは180ドルのコースメニューのみ。週に4日間のみの営業。かなり話題の店で予約を取るのが難しいですが、新しい体験があなたを待っています。(食後に、シェルのカルロと話をしたら、「次は日本に店を出したいから、もうすぐ日本に調査に行くんだ」とのこと!

 

現地の食料品店を訪れて感じたことは、食材に関しては、「グルテン・フリー(グルテンを抜いた食品)」や「スーパーフード」がすっかり浸透していました。スーパーフードとはロー・カロリーで栄養たっぷりな自然食品のことなのですが、特にキヌア(Quínua)、チアシード、ファッロ(スペルト小麦)、フラックスシードは、自然食品のスーパーマーケットでよく見かけました。このような意識の高さはぜひ私たちも見習いたいところです。

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